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2020年秋の秋田/東京へ7 [2020年秋の秋田/東京へ]

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秋田の街角には鬼たちが蠢く。そしてここで「いっけな~い! 遅刻遅刻!」と、程よく焦げたトーストを咥え、角を曲がってッドッシーン!「パンツ!見たなー!!?」の秋田美少女がいるんだ、きっと。
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いっけな〜い!遅刻遅刻!!私、鬼首穫子(おにこうべとりこ)。ちょっとおっちょこちょいの女子高生。朝ごはんのパンを食べながら走ってたら、向こうからきたナマハゲとぶつかっちゃった〜!あたたたたぁー。。ぇええー!!鬼の面が取れたナマハゲは、実は同じクラスのちょっと気になるあのイケメーン!? どうなるのー!ワタシの高校生活〜!!?

遥か昔とも思えるその出来事、たかだか3年前の出来事だ。それを懐かしく思う穫子は、牡牛座α57星系アステロイドベルト軌道上のプロピオンVの司令席に座っていた。部下たちは彼女の美しさと威厳、時には同じ新兵学校で学んだ仲間達と敵、味方となって相見える数々の戦闘を勝利に導いた冷酷な判断を讃え、トリコ・ビューティと呼んでいた。ケンタウロス共和連合とブラックナイトサテライト連邦国家郡の通商交渉決裂の時に備え、その左手は、自らを育んだ青い衛星へ向け照準があっているオメガ荷電粒子加速中性子砲の発射ボタンの上で、その瞬間を待ち構えていた。あの角で出会った鬼のことを思い出す、彼が搭乗していたスカイロンσを跡形も残らず蒸発させた発射ボタンを押した左手。そのことを思い出すと柄にもなく身震いしたが、自らの甘さを戒めるように、交渉決裂の瞬間、今までと何も変わりなく躊躇無しに左手でボタンを押した。
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人の運命を司るのは神か偶然か? それは時の回廊を巡る永遠の謎かけ。 だが、トリコの運命を変えたのは、素体と呼ばれたあの物体。 小惑星リドの闇の中で走り抜けた戦慄が、今ウドの街に甦る。ここは秋田空港。ヂヂリウムのシャワーの中から美女が微笑む。
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こんな、長い年月をかけて出来た川の蛇行も、オメガ荷電粒子加速中性子砲の地獄の炎で一瞬で消え去るのかな。
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沈む夕日と富士山、また明日を迎えられるといいなあ。時代が時代なら、コロニー落としのコロニーで終わった人生だったかもしれない。
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夕方の羽田空港に着きました!!秋田から飛行機だと早いもんだ。

タグ:秋田 羽田
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